2010年05月10日

生命の起源に関与? オリオン大星雲の円偏光(産経新聞)

 地球上の生命はどこから来たのか? 地球の生命を構成するアミノ酸はなぜ、左型なのか? 国立天文台など日米英豪の国際研究チームは、オリオン大星雲中心部の広い領域で特殊な光を観測し、生命の起源とアミノ酸の謎への深いかかわりを示唆する研究成果を発表した。原始太陽系が特殊な光にさらされた結果、生命の素になるアミノ酸に偏りが生じ、これが隕石(いんせき)とともに飛来して地球上に生命が誕生した−というシナリオだ。(中本哲也)

 ■鏡像異性体

 タンパク質をつくるアミノ酸には、右手と左手のように構造が同じなのに重ね合わせることができない「鏡像(光学)異性体」がある。普通の化学合成では左型と右型が半々に生成されるが、地球上の生物を構成するタンパク質は、ほとんど左型のアミノ酸から成る。ホモキラリティーと呼ばれるアミノ酸の偏りは、生命の起源にもかかわる大きな謎だ。

 一方、1969年にオーストラリアに落下したマーチソン隕石など、太陽系初期の状態が保存された古い隕石には、付着したアミノ酸に左型に偏ったものがあることが知られていた。

 生命の起源については、落雷や隕石衝突時の衝撃によって地球上でアミノ酸が作られたとする説もある。マーチソン隕石などの研究成果は「隕石とともに飛来したアミノ酸が、地球生命の起源になった」との地球外起源説を後押しする。地球上で生成されたとする説に比べると、アミノ酸の偏りを無理なく説明できる。

 ■アミノ酸の偏り

 地球外起源説が正しいとすれば、宇宙空間にアミノ酸の偏りを引き起こす原因があるはずだ。国際研究チームは、アミノ酸の左右の型を偏らせる性質がある「円偏光」と呼ばれる特殊な光に着目した。

 あらゆる方向の波が重なり合っている普通の光に対し、偏光は波の振動方向がそろっている。円偏光は振動方向の軌跡が円を描く特殊な状態で、右回りと左回りがある。右回りの円偏光は右型アミノ酸を、左回りは左型を選択的に壊す。

 研究チームは南アフリカ天文台の1・4メートル望遠鏡に赤外線偏光観測装置を搭載し、地球から約1500光年離れたオリオン大星雲の中心部を観測。その結果、太陽系の400倍に相当する領域で、右回りと左回りの円偏光が分かれて広がっているのを発見した。円偏光は、太陽の約20倍の大質量星が形成されている領域を中心に広がっており、太陽と同程度の星の周囲では観測されなかった。

 ■宇宙生物学

 かつて太陽系の近くに、大質量星の末路である超新星爆発が起こっていたことを示す研究報告がある。

 国立天文台ハワイ観測所の福江翼研究員は「オリオン大星雲で観測された円偏光領域の広さを考えると、原始太陽系が近くの大質量星形成域から広がった円偏光にさらされたことが示唆される。天文学と生命の起源が、円偏光という特殊な光の探査で結びついた」と話す。

 初期の地球では「絨毯(じゅうたん)爆撃」のように多数の隕石が降り注いだ時期があったとされる。隕石が持ち込んだわずかなアミノ酸の偏りが増幅され、地球上の生物ではほぼ100%が左型になったという筋書きだ。原始太陽系を照らした円偏光が、私たちの体をつくるアミノ酸の「左右」を決定づけたのかもしれない。

 近年、太陽系外で多数の惑星が発見され、地球外生命への関心が高まる中、研究チームは今回の研究を「宇宙生物学」という新しい学問の成果と位置づける。今後は、オリオン大星雲以外の星形成領域で観測を進め、円偏光の普遍性を探る方針だ。

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posted by タケダ マサハル at 21:34| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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